by 安田美絵 @ ルナ・オーガニック・インスティテュート
環太平洋経済連携協定
TPPを知ろう!
STEP1
■第1章
TPPって何?
■第2章
「TPPで発展!」
の勘違い
■第3章
TPPに入ると
どうなる?
■第4章
なぜ日本は加盟
したい?
■第5章
TPPでは
幸せになれない
■第6章
わたしたちに
できること
STEP2
■第7章
TPPと遺伝
子組換え
■第8章
経団連会長と
TPPの関係
■第9章
自由貿易につ
いて考えよう
STEP3
■TPPに関する
Q&A
第7章 TPPと遺伝子組換え
2.遺伝子組換え作物は安全なの?
ちなみにアメリカでは、遺伝子組換え作物であるかどうかの表示義務はないが、任意でNon-GMO(非遺伝子組換え)という表示はしてもいいらしい。
でも、“GMO-Free”という表現は禁止なのだそうだ。
なんとかFreeというのは、アルコールフリーとか、コレステロールフリーとか、何か悪いものが入っていないことをアピールするときに使う表現。だからGMO-Freeと書くと、あたかもGMO(遺伝子組換え)が悪いもののようなイメージを与えるからダメ、というのがその理由だとか。
それって、まるで遺伝子組換え作物が悪くないもの、安全なものだと言わんばかりの言い分だね。一体、本当にそうなんだろうか。
1998年、イギリスのローウェット研究所のパズタイ博士は、ネズミに遺伝子組換えじゃがいもを食べさせる実験を行った。
その結果、ネズミには、免疫力の低下や内臓の障害(膵臓の重量低下、内臓細胞の増殖、肝臓の重量低下、胃の粘膜が厚くなる)がはっきりと認められた。
博士は早速テレビ会見でこのことを発表した。「遺伝子組換え研究に携わる科学者として、イギリス国民をモルモット代わりに使うのはきわめて不当だといわざるを得ません」とまで言ったんだ。なぜなら、その2年前から遺伝子組換え作物は既に市場に出回っていたからね。
世界中のテレビ局から研究所に問い合わせが殺到した。ところが、研究所では博士のコンピュータにロックをかけ、データを没収、2日後には博士はクビにされてしまった。
この「パズタイ事件」は遺伝子組換えの闇を象徴する有名な事件だ。
なんでそんなことになったんだろう?
誰が手を回したんだろう?
遺伝子組換え作物が安全でない、とされ、売れなくなったときに困るのは誰か?
そう考えればすぐにわかる。
それは遺伝子組換え種子のトップ企業、モンサント社だ。
「遺伝子組換え作物は安全性に疑問がある」と発表する学者がいると、モンサント社はかたっぱしから裏から手を回して失脚させる。その手口によって、世界中で何人もの良心的な学者が失脚させられているよ。
アメリカにはFDA(アメリカ食品医薬品局)という政府機関があって、食品や薬の安全性を審査することになっている。ところがアメリカには俗に「回転ドア」と呼ばれるシステムがあって、政府機関と民間会社との間を人が行ったり来たりしている。だから日本の天下り以上に、政府と民間会社との癒着がひどいんだ。例えばラムズフェルト元国防長官は、もともとはモンサントの子会社サールのCEOだった。そんな状態で、本当に国民の側に立った安全性の審査ができるわけはないよね。
「サルでもわかるTPP(環太平洋経済連携協定)」
by 安田美絵 @ ルナ・オーガニック・インスティテュート(マクロビオティック料理教室&持続可能な食の学校)