TPPを知ろう!
STEP1
■第1章
TPPって何?
■第2章
「TPPで発展!」
の勘違い
■第3章
TPPに入ると
どうなる?
■第4章
なぜ日本は加盟
したい?
■第5章
TPPでは
幸せになれない
■第6章
わたしたちに
できること
STEP2
■第7章
TPPと遺伝
子組換え
■第8章
経団連会長と
TPPの関係
■第9章
自由貿易につ
いて考えよう
STEP3
■TPPに関する
Q&A
by 安田美絵 @ ルナ・オーガニック・インスティテュート
環太平洋経済連携協定
第9章 自由貿易について考えよう
3.自由貿易は先進国に都合がいい
じゃあ、発展途上国が貿易で儲ける方法はないのかな? 実はちゃんとある。それが輸出に関税をかける、という手だ。
普通、国内の会社には法人税がかかって、会社は利益の一部をその国に税金として払うよね。それと同じように、貿易商にもその儲けに対して税金をかけていいはずだ。輸出に関税をかけることで、貿易商からその利益の一部を税金として徴収できる。これによって発展途上国の政府は利益を得ることができるんだ。
つまり関税をかけること、何に対してどんな関税をかけるか決めることは、その国の利益を守るために大切なことで、それぞれの国が持っている当然の権利なんだ。
それをなくせ、っていうのが自由貿易。
「自由貿易によってこそ両国は共に継続的に繁栄し、人々の生活は向上する」というのが、経済学者の説く通説で、政府も、官僚も、マスコミも、ビジネスマンも、ほとんどの人がそれを信じてる。でも実際には、先進国の貿易商に都合のよい貿易取引を、発展途上国に押し付けるためのへ理屈、デタラメでしかない。
これが本当にデタラメかどうか考えるには、経済学の詳しい知識はいらない。
世界の国々で現実に何が起きているかを見るだけで十分だ。
世界の国々は本当にともに繁栄してきたのかな?
アメリカ、日本、ヨーロッパなどの先進国が、戦後どんどん豊かになってきたのに比べ、発展途上国はどうだろう。
発展途上国からの輸出品の代表はコーヒーだ。
わたしたちがコーヒーに払う値段のうち、生産された国に渡るお金は、わずか10~15%程度。そのうち農家の手に落ちるのは、わずか5%程度だけ。
コーヒーの値段のうち、85~90%は貿易商、加工業者など先進国の人々の懐に入ってしまう。
しかもコーヒーの価値は下がる一方だ。
1980年にはコーヒー1トンと原油95バレルが同じ値段だった。
でも、1990年には67バレル。
2003年には39バレル。
2009年には37バレル。
つまり、コーヒをつくっている人たちは、同じ量のコーヒー豆をつくっても、それと引き換えに得るお金やモノがどんどん少なくなっていくということ。貧しくなる一方だということだ。
この現実を見ただけでも「自由貿易によって両国は共に継続的に発展する」などというのが単なるデマだとわかるね。
利益をむさぼりたい大企業が、自分たちに都合のいいデマを流しているにすぎないんだ。
目を覚まそう。世界では先進国が途上国を搾取し、先進国でも大企業が大部分の人々を搾取している。そんな社会に歯止めをかけるための一歩を踏み出そう。さあ、みんなで、TPPにNO!の声を!
「サルでもわかるTPP」 著者:安田美絵 ルナ・オーガニック・インスティテュート 本原稿は著作権フリーです。リンク、転載、配布、熱烈歓迎いたします! |
「サルでもわかるTPP(環太平洋経済連携協定)」
by 安田美絵 @ ルナ・オーガニック・インスティテュート(マクロビオティック料理教室&持続可能な食の学校)